公共工事の維持管理費を削減する「舗装の長寿命化工法」とは?初期コストとLCC(ライフサイクルコスト)を最小化するストリートプリントの有用性

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「インフラの老朽化が進む一方で、維持管理に割ける予算は年々減少している…」

道路維持課や公園緑地課など、公共工事に携わる多くのご担当者様が、今まさにこのジレンマに直面されていることと存じます。


従来の公共事業では、初期コスト(イニシャルコスト)の安さが重視される傾向にありました。しかし、雑草対策や段差補修、頻繁な打ち替えなど、供用開始後にかかる膨大な維持管理費(ランニングコスト)が、自治体財政を圧迫する要因となっていることは否めません。持続可能なインフラ整備のためには、LCC(ライフサイクルコスト)を視座に入れた工法選定が急務です。


本記事では、既存の舗装ストックを有効活用し、「除草費ゼロ」「舗装の長寿命化」「廃棄物削減」を同時に実現する『ストリートプリント工法』について解説します。 単なる景観舗装と思われがちなこの技術が、実は公共工事におけるコスト削減の切り札となる理由を、株式会社サワケンが持つ30年以上の施工実績と、ドローンを活用した最新の調査技術に基づくファクト(事実)を用いて紐解きます。


「美しさ」と「経済性」は両立できる――。その具体的な根拠をご確認ください。


≪目次≫

-なぜ今、公共工事で「舗装の維持管理費」削減が最重要課題なのか?

-維持管理費を劇的に下げる「ストリートプリント工法」3つの技術的根拠

-廃棄物処理費も削減!既存ストックを活かす「リノベーション」の優位性

-株式会社サワケンの独自提案:無駄な工事を省く「高精度診断」と「施工技術」

-導入事例から見るコスト対効果

-まとめ


■なぜ今、公共工事で「舗装の維持管理費」削減が最重要課題なのか?

高度経済成長期に集中的に整備された道路や公園、橋梁などの社会インフラが、一斉に老朽化を迎える今、日本の公共工事は「新設」から「維持管理・更新」へと大きく舵を切っています。


国土交通省が推進する「インフラ長寿命化計画」においても、限られた財源の中でいかに効率的にインフラを維持し、将来世代への負担を減らすかが最大のテーマとなっています。その中で、意外と見落とされがちながら、自治体財政に重くのしかかっているのが「舗装の維持管理費」です。


-インフラ長寿命化計画とLCC(ライフサイクルコスト)の視点

公共工事の入札や仕様検討において、従来は「初期建設費(イニシャルコスト)」の安さが最優先される傾向にありました。しかし、舗装は完成した瞬間から劣化が始まり、供用期間中には点検、清掃、補修といった「維持管理費(ランニングコスト)」が発生し続けます。


これらを合計した費用がLCC(ライフサイクルコスト)です。 初期費用を抑えるために安価な工法や、見栄えだけを重視した工法を採用した結果、毎年の除草作業や頻繁なパッチング補修が必要となり、10年、20年スパンで見るとトータルコストが倍増してしまうケースは後を絶ちません。


これからの公共工事に求められるのは、「建設時のコスト」と「将来かかるメンテナンス費用」をトータルで評価し、最も経済合理性の高い工法を選定することです。


-従来工法(ブロック舗装・一般アスファルト)が抱えるコスト構造の弱点

では、具体的にどのような点が維持管理費を増大させているのでしょうか。代表的な舗装工法におけるコストの「落とし穴」を見てみましょう。


インターロッキングブロック舗装の「除草」と「不陸(ふろく)」 公園や歩道で多用されるインターロッキングブロックやレンガ舗装。景観性は高いものの、構造上避けられないのが「目地からの雑草繁茂」です。


自治体の道路維持課にとって、毎年の除草作業にかかる人件費や委託費は決して無視できない出費です。また、車両の乗り入れや路盤の変動によりブロックが沈下・隆起する「不陸(ガタツキ)」が発生しやすく、歩行者の転倒事故リスクに伴う補修工事も頻発します。これらはすべて、予期せぬ維持管理コストとなります。


一般アスファルト舗装の「紫外線劣化」と「早期打ち替え」 最も一般的なアスファルト舗装は経済的ですが、紫外線による酸化劣化(骨材の飛散、ひび割れ)が避けられません。特に景観を重視しない箇所であれば補修材で対応できますが、公園や広場などの「見た目」が重視される場所では、美観維持のために早期の全面打ち替えが必要となり、結果として廃棄物処理費を含む更新コストが嵩んでしまいます。


これらの「見えないコスト」を構造的に解決し、LCCを劇的に圧縮する手段として、いま注目されているのがストリートプリント工法です。次章では、その技術的根拠について詳述します。


■維持管理費を劇的に下げる「ストリートプリント工法」3つの技術的根拠

前章で触れた「見えない維持管理コスト」を削減するためには、舗装そのものの構造的欠陥を解消する必要があります。 ストリートプリント工法は、単にアスファルトに模様を描くだけの装飾技術ではありません。アスファルト舗装の弱点を補強し、機能性を高める「高機能舗装技術」です。


公共工事において、本工法がLCC(ライフサイクルコスト)を劇的に下げる理由は、主に以下の3つの技術的特性に集約されます。


①【除草コストゼロ】完全一体構造が「目地からの雑草」を物理的に遮断

インターロッキングブロックやレンガ舗装における最大の維持管理リスクは、ブロック同士の隙間(目地)です。ここから雑草が生えると、景観を損なうだけでなく、根が路盤を侵食し、舗装の隆起や破壊を招きます。毎年の除草作業や除草剤散布にかかる費用は、自治体にとって恒常的な負担となっています。


技術的根拠:

ストリートプリントは、「連続した一枚のアスファルト路面」に、熱によって溝(パターン)を刻み込む工法です。見た目は石畳のように見えますが、物理的な「隙間」や「継ぎ目」は一切存在しません。 土が入り込む余地がないため、舗装面から雑草が生えることは構造上あり得ません。

これにより、除草にかかる人件費や委託費を恒久的に「ゼロ」にすることが可能です。また、ハイヒールのかかとが挟まったり、つまずいたりする段差も発生しないため、歩行者の安全性確保(賠償リスク低減)にも繋がります。


②【舗装の延命化】特殊コーティングが紫外線と雨水を防ぎ、劣化を抑制

一般的なアスファルト舗装は、施工直後から太陽光(紫外線)と雨水に晒され、劣化が始まります。紫外線はアスファルト混合物に含まれる油分(バインダー)を酸化させ、ひび割れや骨材飛散(ポロポロと崩れる現象)を引き起こします。これが、アスファルトの寿命を縮める最大の要因です。


技術的根拠:

ストリートプリントの仕上げに使用される専用コーティング材「ストリートボンド」は、単なるペンキではありません。骨材と樹脂を配合した強靭な被膜層です。


このコーティング層がアスファルト表面を完全に覆うことで、紫外線と雨水を遮断します。バインダーの酸化を防ぎ、アスファルト舗装自体の寿命を大幅に延ばす効果(延命化)があります。


通常のカラー舗装が数年で色褪せるのに対し、ストリートボンドは耐候性が極めて高く、長期にわたり母材であるアスファルトを保護し続けるため、打ち替えサイクルを延伸し、更新コストを削減します。


③【修繕費の圧縮】部分補修が容易で、全面改修のリスクを回避

公共道路では、水道管やガス管の埋設工事に伴う掘削が避けられません。

また、一部が破損した場合の補修も必要です。 ブロック舗装の場合、部分的な補修でも周囲との高さ調整(レベル合わせ)が難しく、専門職人の手配が必要でコストが割高になりがちです。また、同じ色・形状のブロックが廃盤になっており、補修箇所だけ色が浮いてしまうケースも多々あります。


技術的根拠:

ストリートプリントはアスファルトベースであるため、必要な箇所だけをカットして補修(パッチング)することが容易です。 補修手順は以下の通りシンプルです。


Ⅰ.破損箇所のアスファルトを入れ替える。
Ⅱ.表面を加熱し、既存のデザインに合わせて型押し(プリント)する。
Ⅲ.同色のコーティング材を塗布する。


このプロセスにより、「継ぎ目が目立たないシームレスな復旧」が可能となります。全面をやり直す必要がなく、ピンポイントでの補修ができるため、修繕工事にかかる費用を最小限に抑えることができます。これは、予期せぬ修繕費発生を嫌う公共工事の予算管理において、極めて大きなメリットとなります。


■廃棄物処理費も削減!既存ストックを活かす「リノベーション」の優位性

公共工事の積算において、材料費や労務費と並んで大きなウェイトを占めるのが、「建設副産物(産業廃棄物)の処理費用」です。 従来の舗装工事は、古くなった舗装を全て剥がして廃棄し、新しい材料に入れ替える「スクラップ&ビルド」が一般的でした。

しかし、この手法はコスト面でも環境面でも、現代のニーズに合致しなくなりつつあります。


ストリートプリント工法は、今あるアスファルト舗装を「既存ストック」と捉え、再加熱して価値を高める「舗装のリノベーション」を実現します。


-「剥がして捨てる」から「再加熱して活かす」へ

通常、景観舗装(インターロッキングや自然石舗装など)を導入する場合、既存のアスファルト舗装を路盤からすべて撤去する必要があります。

これには以下の工程とコストが発生します。


撤去費: 重機による掘削・剥ぎ取り費用
運搬費: 廃材を処分場まで運ぶダンプトラックの費用
処分費: アスファルト塊(産業廃棄物)の受け入れ費用
新規材料費: 新しい路盤材やブロック材の購入費用


一方、ストリートプリント工法(特に既存アスファルト活用型)では、路面の劣化状態が軽度であれば、アスファルトを剥がすことなく施工が可能です。

特殊な加熱装置で路面を軟化させ、その場で型押し加工を行います。つまり、上記の1〜3の工程(撤去・運搬・処分)を丸ごとカットできるのです。これは、工事費全体の大幅な圧縮に直結します。


-産業廃棄物処分費の高騰とコストダウン

建設廃棄物の処分費は、最終処分場の逼迫や環境規制の強化により、年々上昇傾向にあります。特に都市部においては、廃材の運搬距離が長くなる傾向があり、コスト増大の要因となっています。


「ゴミを出さない工法」を選択することは、これら処分費の高騰リスクを回避するための最も有効な防衛策です。 自治体の発注担当者様にとって、「予算内で施工面積を広げたい」あるいは「浮いた予算を他の安全対策に回したい」と考えた際、廃棄物処理費の削減によって生まれる財源は非常に大きな意味を持ちます。


-環境負荷低減(CO2削減)とコストの「一石二鳥」

公共事業には現在、コスト削減だけでなく「SDGs(持続可能な開発目標)」や「脱炭素社会」への貢献が強く求められています。


既存アスファルトを再利用するストリートプリント工法は、以下の点で環境負荷を低減します。

CO2排出の抑制:
廃材運搬のダンプトラック走行や、新規アスファルト合材の製造時に排出されるCO2を削減。
資源の保護:
石油由来のアスファルトや骨材といった限りある天然資源の消費を抑制。

自治体としての環境施策のアピールになるだけでなく、結果として工事コストの削減にも繋がる

「環境に優しい工法」を採用することは、――まさに「一石二鳥」のソリューションと言えます。


■株式会社サワケンの独自提案:無駄な工事を省く「高精度診断」と「施工技術」

優れた工法であっても、施工する企業の技術力や提案力が不足していれば、その真価を発揮することはできません。 株式会社サワケンは、1992年の創業以来、舗装・外構工事のプロフェッショナルとして、埼玉県飯能市を拠点に全国の現場を手掛けてきました。


私たちが自治体のご担当者様から選ばれ続ける理由は、従来の建設業の枠を超えた「DX技術の活用」と、公共工事の厳しい基準をクリアし続ける「確かな品質管理」にあります。


-ドローン空撮による劣化診断で、必要な箇所だけをピンポイント施工

従来の舗装点検は、目視による主観的な判断に頼る部分が多く、「念のため広範囲を改修する」という過剰な工事になりがちでした。これは、貴重な税金(予算)の浪費に他なりません。


サワケンでは、ドローン(無人航空機)を活用し,「機械×人の目」での高精度の現場調査を導入しています。 上空からの俯瞰撮影により、広範囲の舗装状況(ひび割れ、沈下、水たまりの発生箇所など)をデータとして客観的に可視化。「本当に補修が必要な箇所」と「まだ使える箇所」を明確に区分けします。


根拠ある予算化:

漠然とした改修計画ではなく、映像データに基づいた説得力のある修繕計画を立案できます。


コストの最適化:

劣化が激しい部分のみを補修し、全体をストリートプリントで仕上げるなど、メリハリのある施工でトータルコストを削減します。


「無駄な工事はしない、させない」ーー

この姿勢こそが、サワケンが提供する最大のコストメリットです。


-公共工事大手との連携で培った、30年以上の品質管理ノウハウ

ストリートプリントは高度な技術を要する工法であり、施工者の腕によって耐久性に差が出ます。 サワケンは、日本の道路インフラを支える大手道路会社様との取引実績を多数有しています。


公共工事における厳しい施工管理基準(品質、工程、安全管理)を熟知しており、大規模なプロジェクトにおいても円滑な連携が可能です。 「アスファルトの温度管理」や「路面性状の評価」など、30年以上の現場経験で培われたノウハウは、マニュアルだけでは再現できない「長持ちする施工」を実現します。


-飯能市から全国・離島まで。地域特性に合わせた高耐久施工

私たちは埼玉県飯能市に本社を構えていますが、ストリートプリント工事に関しては全国対応(離島含む)の実績があります。 北海道や東北のような寒冷地における「凍結融解」対策や、沿岸部における「塩害」対策など、地域の気候風土に合わせた最適なコーティング材の選定や施工方法をご提案できるのも、広域に展開するサワケンならではの強みです。


地元の業者では施工が難しい特殊舗装であっても、サワケンの機動力と技術力があれば実現可能です。「遠方だから」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。


■導入事例から見るコスト対効果:なぜその現場はストリートプリントを選んだのか

論より証拠。実際に株式会社サワケンが手掛けた公共空間やインフラ整備の現場事例をご紹介します。 これらの事例は、単に「見た目を良くしたい」という意匠性だけでなく、「長く使える舗装にしたい」「維持管理の手間を減らしたい」という機能的な要求に応えた結果です。


【事例1:埼玉県春日部市・公園整備】除草費ゼロと安全性の両立

施工場所: 埼玉県春日部市 公園出入口

課題と背景: 公園の顔となる出入口は、多くの市民が利用するため、美観の維持が必須です。しかし、インターロッキングブロックでは目地からの雑草繁茂や、ブロックの浮き上がりによるつまづき事故のリスクがありました。


導入効果:

ストリートプリントを採用することで、「継ぎ目のない一体構造」を実現。雑草が生える隙間を物理的になくし、除草作業にかかるランニングコストをカットしました。また、ベビーカーや車椅子もガタつきなくスムーズに通行できる平坦性を確保しつつ、表面のテクスチャで滑り止め効果も付与。「安全」と「低コスト管理」を両立させた好例です。


【事例2:千葉県習志野市・歩道整備】車両乗り入れに耐える高耐久性

施工場所: 千葉県習志野市 マンション・飲食店駐車場出入口の歩道部分

課題と背景: 駐車場への車両出入りが頻繁にある歩道部分は、タイヤの「ねじり」負荷がかかりやすく、通常のカラー舗装ではすぐに剥がれたり、ブロック舗装では割れや沈下が発生しやすい過酷な環境です。


導入効果:

アスファルトと一体化するストリートプリントの高耐久性が評価され採用。特殊コーティング「ストリートボンド」が骨材を保護し、車両の頻繁な発進・停止、旋回による摩耗や轍(わだち)の発生を抑制しています。補修頻度が高い箇所だからこそ、初期に高耐久な工法を選ぶことで、LCC(ライフサイクルコスト)を抑制しています。


【事例3:東京都武蔵村山市・造成工事】インフラ基盤からのトータルサポート

施工場所: 東京都武蔵村山市

施工内容: 造成工事(型枠ブロック積みなど)

サワケンの強み: サワケンは表面の装飾だけでなく、土地の基盤を作る造成工事や、東京都東久留米市のような新築外構工事まで幅広く手掛けています。路盤の構造や排水計画といった「土木の基礎」を熟知しているからこそ、表面の舗装も長持ちさせる施工が可能です。


※その他の豊富な施工事例は、株式会社サワケン公式WEBサイトの工事例一覧をご覧ください。


■まとめ

本記事では、公共工事における「維持管理費の削減」という喫緊の課題に対し、ストリートプリント工法がいかに有効な解決策となり得るかを解説してきました。


物理的な「継ぎ目」をなくすことで毎年の除草費を恒久的にゼロにし、特殊コーティングによって紫外線や雨水からアスファルトを守り寿命を延ばす。さらに、既存のストックを「リノベーション」することで高騰する廃棄物処理費を圧縮する。これらは決して机上の空論ではなく、多くの公共工事現場で実証されている紛れもない事実です。


予算が縮小傾向にある現代の公共事業において、目先の「初期コストの安さ」だけで工法を選ぶ時代は終わりを告げようとしています。10年後、20年後の維持管理費までを見据えたLCC(ライフサイクルコスト)の視点に基づく選定こそが、自治体の健全な財政を守り、ひいては住民の安全で快適な暮らしを持続させるための唯一の解と言えるでしょう。


≫≫≫現状の舗装にお悩みなら、まずは「診断」から

「うちの管轄の道路でも施工できるか?」「どれくらいコストが下がるのか試算したい」

そうお考えのご担当者様は、ぜひ株式会社サワケンにご相談ください。


30年以上の実績と、ドローンを活用した高精度の劣化診断技術を駆使し、無駄のない最適な改修プランをご提案いたします。埼玉県飯能市から全国へ、地域の課題解決に貢献するパートナーとして、皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。